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【一般】VectorWorksのためにパソコンを買おうという人にアドバイス

※こういう調べ物をするときの大前提は、最初はメーカーやベンダーのHPで動作環境を確認することです。メーカーやベンダーのHPには、必ず記されています。逆に、動作環境をきちんと書いていないような製品は使うべきではありません。なお、Vectorworksの日本代理店はエーアンドエー株式会社で、ホームページには動作環境がしっかりと記載されています。

以下は、メーカーの言う動作環境とは別の視点から、間違った買い物をしないためのヒントです。

PCを買うとき、CPUの性能に気を取られがちですが、モニタのサイズや解像度にも十分配慮しましょう。

(2014/7/30、 多少の補足修正。 2015/2/17、2016/2/4、2018/4/30 修正。)

かぶる内容がありますが、こちらにも同様の記事を書いています。→

それから、「Vectorworks 対応PC」というようなキーワードで検索した結果、最初にこの記事を見た人は、ものの調べ方を知らない残念な人です。エーアンドエーのHPに行って動作環境を確認することから始めることを勧めます。

私は25年近くDellを使っています。耐久性については国産有名メーカーと同等だと思いますが、購入時にカスタマイズ(自分の好きな構成にすること)ができ、購入後の改造も容易なので、手を入れながらかなり長期間使えます。無用なソフトがついてこない分、安いのもメリットです。
現在販売中のおすすめモデルは→ XPS 8920 (2017/2/24発売)

CPUとGPU

CPUというのはメインのエンジンで、GPUは画面表示のためのエンジンです。ソフトが対応していれば、GPU性能がレンダリング性能に大きく影響します。

予算が許せば、速い方がよいのは当然です。同じメーカーの場合、一般にコア数が多く、クロック周波数が高い方が高速に動きます。現在(=この記事の執筆時)のIntelでいえば、クアッドコア(コア4つ)のi7の方が、デュアルコア(コア2つ)のi5よりも速いですが、当然値段も高いです。

GPUはカタログや仕様書では「グラフィック」というような項目に描かれています。デスクトップでもノートでもグラフィックボードを選べる場合があるので、最低ランクより1ランク以上高性能なものを選ぶとよいでしょう。HDMI出力が可能 であれば、TVにつなげるので便利です。(HDMI出力がない場合も、あとで変換ケーブルを買えばよいのですが、けっこう高いので最初にけちりすぎな いようにしましょう。) お小遣いで買えそうな価格帯のGPUの大半はゲームや動画に適しているタイプですが、ものすごくヘビーな処理をやらせるのでなければ大丈夫だと思ってください。CAD向きの(=OpegGLの性能が高い)製品としては、GeForeceのQuadroとかATIのFireProとかありますが、最下位のモデルでも2万以上くらいです。また、RenderworksのレンダリングエンジンであるCineRenderはGPUではなくCPUを使うので、GPUの差は出にくいそうです。

ワークステーションという枠組みで販売されている機種を選べば、上記のQuadroやFireProなどが付いている場合が多いですが、ワークステーション自体が高価なので、学生さんが使うものとして適しているとは思いません。ワークステーションを買うほどの予算があるなら、一般用の機種を2台買った方が生産性があがると思います。

メモリー

メモリーは、8GB以上が望ましいです。最低でも4GB必要だと考えてください。ノートPCの場合、2GB程度のものが多いので、自分で増設する自信がない人は購入時にお店で増設してもらうことを薦めます。でも、購入時にお店でちょちょっとやってもらえるということは、それほど大変な作業ではないということなので、自分で試してみるとよいと思います。

HDD(ハードディスクドライブ)

CADやOfficeを使うだけであれば、HDDの容量はそれほど大きくなくても大丈夫です。強いて言えば500GB以上ですが、今のPCは当然のごとく、これくらいの容量を持っています。

自分はあれやこれやたくさん保存しそうだからといって、本体に容量が大きすぎるHDDを内蔵するとバックアップが大変になります。だから、むしろシステムやデータのバックアップのためにも外付けのHDDを持っておくことを薦めます。バックアップ 用のHDDの容量は、内蔵HDDよりも大きなものを選んでください。直感的には2倍以上の容量かつ2TB以上。(Windowsの場合は、標準のバックアップ機能、 Macの場合はTimeMachineを使って、自動的に外付けHDDにバックアップできます。)

SSD

とくにノートPCの場合、HDDではなくSSDを搭載したモデルも増えていますが、2018年春の時点では、安いモデルは容量が128GB、高いモデルは256GBが主流のようです。256GBであれば不要になったデータを削除したり、外付けの記憶装置に移動したりすることを習慣づければ問題ないと思います。一方、128GBではキビシイでしょう。

モニタ

  • デュアルモニタに対応できるものがよい。できれば、最初からモニタを2台買ってデュアルにすること。(PCがHDMI端子を持っていれば、液晶TVにつないでデュアルにすることも可能です。)
  • デュアルモニタにする場合、発色などの点から同一製品2台が良いですが、違っていても大丈夫です。サイズが異なる場合は、縦方向のドット数が近い方が使いやすいです(2台横に並べた場合)。
  • デュアルにするときは、一方を回転できるスタンドがついたものにするとCAD以外で便利なときがあります。たとえば、A4用紙縦を実寸で編集できるなど、、。
  • ノートPCの安いモデルは、解像度が1366×768の場合が多いですが、CADで使うには適していません。 →画面のイメージはこちらをどうぞ。
  • デスクトップPC、ノートPCに限らず、2018年春時点での状況から言えば、FullHD (1920×1080)以上を選ぶのが適切です。視距離を十分とれない環境の場合は、画面が大きすぎて視野からこぼれることがあるので、まずは、設置環境をよく捉えてから、サイズを選ぶようにしましょう。
  • デュアルモニタにできない機種を買っても、後からグラフィックボードの入れ替えで対応できます。入れ替えは、初心者であっても難しいことではありませんが、多少の手間と勇気を必要とします。
  • ノートPCの場合、PC本体の画面の解像度を後から上げることはできません。買う前にしっかりチェックしてください。一方で、ほとんどの機種で外付けモニタを使えるので、HDMIケーブルでFull HDのTVとつなげることを検討しましょう。

いまどきノートPC?

ノートPCであることが本当に役に立つのは、モバイル時のみと言ってよいと思います。たとえば出先でVectorworksで作業しようと思ったら、やはりノートPCが必要でしょう。(実務ではそういうことがあります。)

ところが、とくに学生さんの場合、スマートフォンを持っている人が多いでしょうから、いつでもインターネットは可能です。Office系ソフトもスマートフォン用があるし、Bluetoothキーボードを一緒に持ち歩けば、入力もまぁまぁ我慢できる速度で可能でしょう。わざわざモバイルで手間がかかる処理を行う必要がある場合は、ほんとうに稀でしょう。

、、、、そうしたら、デスクトップPCと比べたときに、高額で性能が低いノートPC をあえて選ぶ必要があるかどうか疑問です。たとえば¥10万のデスクトップPCと同じパフォーマンスをノートPCで得ようと思ったら、¥15~20万になります。

どうせ¥15万出すなら、¥10万のデスクトップとiPadを買った方が、いろんな意味で生産性があがります。

プリンタ

不要! どうしても欲しかったら、年賀状の季節まで待って、格安で販売されている型落ちモデルを買いましょう。スキャナとかコピーとか便利そうな気がしますが、コピーはコンビニで取った方が安上がりです。スキャナは、思ったほど使う機会はない、というのが一般的だと思います。プリンタによる写真印刷はジョーク機能だと考えるのがよいと思います。

マウス

マウスは盲点になりがちですが、標準添付のマウスは、ほとんどの場合NGです。5000円までは払ってもよいという覚悟で、自分の手に合ったものを選んでください。

ワイヤレスマウスは電池が入る分だけ重くなるので、CADに必要な機敏で細やかな動きをしにくいです。重心の位置が電池の位置に依存するのも使いにくさの原因になりがちです。私はCADを使うときはケーブルマウスを使います。ただし、ほとんどの作業はトラックボールで行っています。もうひとつのブログに書いているので、読んでみてください。

価格

インターネットやOfficeを使うだけなら¥5万程度のPCで十分ですが、CADやCGの場合は最低でも¥10万はかかると思ってください。一方で、陳腐化が早いので、上限でも¥20万。むしろ¥10万ちょっとの機種を買って、2~3年で買い換えることを薦めます。

高いPCを買ってPCに耽溺する暇とお金があったら、その時間と資金は旅行に注ぎ込んでください。

レビューの読み方

あちこちでいろんな製品のレビューを目にしますが、あまり真に受けないようにしてください。

昔の車雑誌には、町乗り向けの車で箱根を走ってコーナリング性能がどうのこうのと書くような記者がいましたが、素人のレビューなんてその程度です。それからPCの世界には、「おぉ、あの人はプロだ!」と言えるような玄人は少ない気がします。身の回りの上級素人の言うことの方が正しい場合もあるので、とにかくレビューには左右されないようにしましょう。

店員さん

やたらと専門用語を口走りながら、素人を小馬鹿にするような知ったかぶりがいます。お店に行ったとき、最初は、誰でも分かりきっているような、ちょっとオバカっぽい質問をして、店員の程度を確かめてみるとよいでしょう。「マウスって何ですか?」とか質問してみて、素人でも分かる言葉で答えてくれる店員さんを探してください。また、CADは一般世間では普通のものではないので詳しい店員は稀です。

Vectorworksの場合は、エーアンドエーのホームページで必要な仕様を調べ、そのメモをもって「Vectorworksを動かすための最低ランクより、1つから2つ上のランクの製品を候補としてあげてもらうのがよいと思います。

店頭販売のPC、とくに国内有名メーカー製品

ソフトがたっぷり入っている(バンドルされている)機種があります。使い方次第では、バンドルソフトは全く使わないので割高です。バンドルソフトのほとんどを使うつもりなら、ものすごくお買い得です。ソフトが10万円分くらい入っているものもあります。

気を付けるべきは、バンドルソフトの中には常駐型といって、自分で起動しなくても勝手に動いているソフトがあって、そのせいでパフォーマンスが低下する場合があります。CADをばりばり使うときの足かせになることもあるので、ほとんどCAD専用で使うならBTOが可能なメーカーを選ぶのがよいでしょう。

通販

通販では、BTOと言って、自分で必要なパーツを自分で選んで、パソコンを組み立ててもらうことができます。上に書いたCPU、GPU、メモリー、HDD、マウスなど、最初から必要な状態を作って買うことができます。少し詳しい人に付き添ってもらえるなら、BTOで買うのはCADを使うPCを買うときには適しています。

自作

マニアでない場合や仕事で使う場合はあまり進めません。一方、自作経験がある学生さんは就職してから重宝される可能性があります。

Windows か、 Macintosh か?

愚問ですが、よく尋ねられるので、以下に考え方のヒントを記します。

  • Vectorworks(昔はMiniCAD という名前)は、元々は Macだけで動くCADでしたから、VectorworksのパワーユーザにおけるMacユーザの割合が大きいのは事実であるようです。だから、Vectorworksを昔から使っているパワーユーザに「どっちがいい?」と尋ねると、「Mac」という答えが返ってくる確率も高いと思われます。
  • でも、そのことと、Vectorworksを動かすために、Windowsが良いか、Macが良いかということは無関係です。
  • Windowsを否定して、やみくもにMacを薦める人には気をつけましょう。(逆のパターンはあまりない。)
  • MacとWindowsの使い勝手の差があるように感じる人もいるでしょうが、たんに慣れの問題だと考えてよいと思います。(慣れないうちは大きな違いとして感じるのは当然です。)
  • たかがパソコンです。WindowsだろうがMacだろうが、「うまく動いたら奇跡である」という認識が必要です。
  • Vectorworks以外に使いたいソフトがある場合は、そのソフトの稼働条件から、Windows か Macかを決めるのが良いと思います。 因みにAdobeのソフトはどちらでも動きます。
  • CADソフトは、割合としてはWindowsでしか動かないものの方が多いです。たとえば、日本で普及している JW_CAD、世界的に大きなシェアを持っている AutoCAD。ArchiCADはどちらでもOK。
  • Bootcamp、VMware Fusion、Parallels などを使えば、MacでWindowsを動かせます。つまり、Mac+Windows の両方が動くパソコンに仕立てられます。もちろん、Windowsのシステム(1~2万)を別途買う必要があります。
  • Macは買ったそのままの状態で使うのが当然である、という印象のPCなので、GPUの積み替えは無理だったと思います(自分で確認してください)。でも、これはMacにかぎりません。内蔵部品をいじりにくいWindowsマシンも、もちろん存在します。
  • もし内蔵部品をいじりたい(GPU交換、メモリー増設、HDD交換などを将来的にやりたい)のであれば、Windows のタワー型がお勧めです。

 

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