【Oops!】 自宅で開けたデータが、学校で開けない! (データ形式の問題)
これは、学生さんがつまづきやすいオハナシです。
VectorWorksはバージョンが変わる度に、データ形式が変更されます。
旧バージョンのVectorWorksで作ったデータは、それより新しいバージョンのVectorWorksで開けます。
VectorWorksのバージョン番号は、12.5以降は、2008、2009、、、、と西暦の年号になっています。
たとえば、10.5, 12.5, 2009 のデータは、2010 以降のバージョンでも開けます。
でも、逆はできません。
たとえば、2010のデータは、2009以下の低いバージョンでは開けません。
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これは、ちょっと考えれば当たり前のことです。2009の時代には、2010は存在しなかったのだから。
でも、ユーザーにとってはかなり不便ですね。因みに、バージョン名の番号が、7,8,9,…,と進んで12.5まで来たところで、突如、バージョンアップ年を示すバージョン名に変わって、2008,2009,2010,…,となったので、特に新しいユーザーには分かりにくいでしょう。でも、このことを覚えておくしかないです。
単年度学生版は、つねに最新バージョンが提供されます。
これはとてもありがたい話です。
しかし、学校に導入されているバージョンと異なっていて、自分のが最新バージョン、学校のは旧バージョン、という場合が多く、自宅で、一所懸命つくったデータを、学校で開こうとしたら、開けない、という事態に陥って、途方に暮れることもあるでしょう。
大半が、バージョンの相違によるデータ形式の相違が原因です。
その場合、ファイル>取り出す で旧バージョン形式に変換してください。
VectorWorksの場合、親切に、自動的にファイル名にバージョン番号を付けてくれるので、ファイル名を見て、どのバージョン形式か判断しましょう。
12.5 とか、10.5 とか、.5バージョンの場合、取り出しメニューでは、.5がつかない表示になっています。
たとえば、12.5だと12形式。
ところが、困ったことに、2011は、当初、形式変換は、2008まででした。現時点(2011年11月)で、通常版には、12形式に変換できるアップデータが提供されていますが、そのアップデータは、単年度学生版には適用できません。
そもそも、2008までの取り出ししかサポートしていないということが、異常事態、ユーザ無視の開発だとしか言えませんが、今、そういうことを言ってみてもどうにもならないので、2008~2010 を使っている人を探して12形式への変換を頼む、というような話になります。
なお、アメリカ本社のHPで紹介されている次期バージョン2012では、多少の反省がなされたのでしょうか、その前の5つのバージョンへの変換ができるそうなので、2012→2011→2010→2009→2008→12 と、12 まではOKということになります。
10.5 !
10.5 というのは、VectorWorksの発展が一段落した、とても出来の良いバージョンだと私は思います。今でもこのバージョンを使っている人も多いようです。学校での入門的授業でも、教えやすく、学びやすい、良いバージョンです。別ソフトとして、格安で販売してもらえないかなぁ、なんて思ってしまいます。
さて、この 10.5 には、シートレイヤがありません。レイヤという言葉しかなく、これは、現在のデザインレイヤに相当します。
シートレイヤの味わいを知ってしまったら、10.5などシートレイヤのないバージョンには戻れません。
戻れないのは、ユーザだけでなく、データもそうなんです。
旧バージョン形式に変換するとき、新しいバージョンになって付加されたデータ形式に関わる機能、たとえばシートレイヤは、何か他の形で実現されます。VectorWorksが勝手に他の形にしてくれるので、便利である反面、期待しないものができて困ることもあります。
とにかく、異なるバージョン間の行き来はデータの連携性がよろしくないため、可能なかぎり避けたいのですが、、、、。
コラボレーションなどで、新旧まざった環境で作業するときは、上記のようなことにも留意しなければなりません。
「バージョンアップで、いろんな機能を付加したから、データ形式が変わりました。」と小さな声で言うのは、ユーザ軽視の態度。
バージョンアップ案内のトップ見出しにしなければならない重いテーマだと、私は考える。
「これこれの機能付加により、データ形式が変わりました。それでも良ければバージョンアップしてください」が正しい態度だと思う。
とにかく、データ形式がどうであろうと、できあがる建物に違いはないのだから、VectorWorksにかぎらず、開発者側は、データ形式というものに対して、もっとユーザサイドに立って考えてもらいたい!!!!
いま、たぶんどの開発者も、IFC に取り組まなければならない状況になっているので、当面は、IFCを救世主として待つしかないのでしょう。なんか、こういう規格でうまくいった試しがないから、、、でもIFCは建築確認など、法律上のことに関わってくるから、これまでのものに比べると、相当マシになるだろうと期待。
今までのVECTORWORKS解説書にはなかった、より便利に速く図面を描くためのVectorworksの使い方を100コ紹介しています。