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【一般】 VectorWorksの中古

2016/03/17

「VectorWorks 中古」というキーワードでこのブログに到達する人が少なからずいるので、書いてみます。

ソフトの購入というのは、ソフトが入っているCDやDVDなどの物体を買うことではなく、ソフトの使用権を手に入れることです。VectorWorksにかぎらず、ほとんどのソフトには1本1本、番号が振られていて、その番号と使用者をソフトメーカーに登録することによって、そのソフトが使えるようになります。

上記を前提に考えてみましょう。

もし、あなたがソフトが入っているCDやDVDの中古を買ったとします。中古なので、あなたが手に入れる前に、他の所有者がいたはずです。その所有者がすでにソフトを登録していたら、あなたは登録できません。「登録できない=使えない(使ってはいけない)」ということです。もし使ってしまったら、それは違法行為なので、発覚して莫大な賠償金を請求されてもやむをえないです。

オークションなどで中古が出ているようですが、事前にソフトメーカーに「ライセンスを第三者から譲渡してもらうことが可能かどうか」を問い合わせて「OK」だったら(※)、次は販売者に「ライセンス譲渡の手続きをきちんとしてもらえるかどうか」を問い合わせ、これも「OK」だった場合にかぎって、本当に買うかどうかを検討するのがよいでしょう。

(※)VectorWorksがどうなのかは知りません。自分で調べてください。

また、ほとんどの場合、中古で販売されいるソフトは現行より古いバージョンでしょう。ソフトのサポート期間はメーカーによって異なりますが、(おそらくメーカーの商売上の理由で)長くはありません。だからサポートが早い時点で切れます。もしかしたら買った時点でサポート期間が終了して いるかも知れません。そして古いバージョンは最新のOSに対応していないことが多いです。サポート期間や対応OSについて事前に調べておかないと安物買いの銭失いになるかも しれません。(サポート期間や対応OSは、多くの場合、メーカーのHPに記載されています。)

中古を探したくなる要因にはメーカーの姿勢もあげられると思うので、私も1ユーザーとして中古を買いたくなる気持ちは分からないではありませんが、リスクがあるのは事実なので、よく考えることを勧めます。

 

そして、盗品もありうる、、、、ということ。

個人的な経験ですが、もう20年ほど前、PCというものがまだ特殊な道具であった時代のことですが、勤務先で購入していたソフトのメーカーから「ライセンスの管理をどうしているか?」という連絡がありました。利用アンケートかと思って「かくかくしかじか」と実情を伝えたところ、「(私の知らない)ある人から、そのライセンスナンバーで登録したいという問い合わせがあった」、「その人はオークションで買ったと言っている」とメーカーさんに言われて目が点になりました。

そのソフトについて言えば、私はライセンス管理者であっただけで自分ではほとんど使わいなかったので気づいていませんでしたが、いつの間にかそのソフトは盗まれ、インターネットオークションに出品されていたのでした。犯人は「ライセンス」というものの知識がなかったために、ソフトが入っているメディアをオークションに出して儲けようと企んだようです。犯人はお粗末なこと実名で取引していたので、すぐに特定できました。

この場合は詐欺に遭ったようなものだから、購入者には罪はありませんし、盗品と知らずに買ってしまった結果、とても不愉快な思いをしただろうと思います。結局、諸般の事情で、オークションでの購入者にライセンスを譲渡することになりました。メーカーからの指示で、譲渡に関する書類を書いたような記憶があります。

だから中古のソフトを買うのは危険であると言いたいのではありません。ソフトを買って手に入るのはCDとかDVDという物ではなく使用権であるという認識が重要だと言いたいのです。買った後で困らない条件を整えることができさえすれば、中古を買うのは決して悪いことではないと思います。

かなり古いですが、CADの基礎を知るためにはとても良い本です。

Vectorworksベストテクニック100表紙『VECTORWORKS ベストテクニック 100』

今までのVECTORWORKS解説書にはなかった、より便利に速く図面を描くためのVectorworksの使い方を100コ紹介しています。

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